坂本八幡宮

令和の初詣(福岡編)に行ってきました。
太宰府市坂本の坂本八幡宮です。
奈良時代の太宰府太宰帥 大伴旅人の邸宅跡とも言われています。 諸説あって、旅人の邸宅跡は政庁跡東側にある月山地区と、政庁跡を南に下った榎社付近とする説です。
ちなみに榎社は菅原道真公が居を構えていたとされ、榎社の奥には道真公をお世話したとされる浄妙尼を祭る社もあります。浄妙尼といえば梅ヶ枝餅ですね。道真公も浄妙尼の作った餅で癒されていたといい、これが梅ヶ枝餅誕生の謂れです。太宰府行ったらこれ食べながら参道歩くの定番ですよね。

坂本八幡宮は昨年来ニュース等でもおなじみの『令和』碑のあるスポットとして今や大変な話題を集めた八幡宮です。 休日には何千人もの観光客がバスや車で訪れるとのことで、今回は平日に、しかも博多駅バスセンターから西鉄バス『旅人号』で行って来ました。 バスセンターから福岡空港を経由して太宰府までの直行バスですが予約無しで乗ることができます。 平日でも毎日24便も出ていて片道610円、Suicaも使えてさすがバス天国の福岡です。😉

太宰府天満宮は何度も訪れているので今回は坂本八幡宮と太宰府政庁跡が目的です。 平日に来る観光客は太宰府天満宮が主目的のようで太宰府政庁跡で下車したのは遊山人一人でした。『令和』碑が太宰府天満宮にあると思っている方意外と多いそうです。太宰府天満宮は菅原道真公、『令和』の碑は大伴旅人の邸宅跡と言われる坂本八幡宮です。行かれる予定のある方はご注意を。
太宰府政庁跡で下車し、政庁南門跡から石段を登り真直ぐ進み正面の正殿跡や政庁跡を隈無く探検し、といってもただただ広い敷地(南北約215m、東西約119m)の中に礎石のある建物跡が各所に点在するだけなのですがその規模の大きさに感嘆し、時空を超えて古代の風景を想像したくなりますね。今やご近所の方のジョギングや犬の散歩スポットらしくて観光客よりも目立ちます。(笑)

政庁跡の脇道を北西に2〜3分ほど歩くと坂本八幡宮です。『梅花の宴』が開かれた場所として脚光を浴びましたが、本当にささやかな八幡宮で『令和』年号で有名にならなければおそらく地元の方以外は来ないほどの素朴な佇まいの中にありました。以前太宰府政庁跡に来たときもこの八幡宮には来ていません。 『令和』の碑も年号絡みで初詣気分満載ですが、大伴旅人の歌碑もまた感慨深いものでした。
「わが岡に さ男鹿来鳴く 初萩の 花嬬問ひに 来鳴くさ男鹿」 旅人が太宰帥として着任してまもなく最愛の妻に先立たれて牡鹿の鳴く姿を自らの思いと重ねていたのでしょうね。 政庁跡の北側の散策路には大伴旅人の『報凶問歌』の歌碑もありました。
「世の中は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり」

付近には梅の木がそこかしこに春を待ちわびていて、梅が咲くころまた来たい!そんな思いを抱かせるのどかな風景でした。
帰りは3kmほどの道のりを散策しながら太宰府駅まで歩き、西鉄電車で戻ることに。
太宰府に行って太宰府天満宮に寄らないという変則的な初詣ということになりました。

福岡県太宰府市坂本3丁目14−23
坂本八幡宮

太宰府市太宰府政庁跡
太宰府政庁跡