佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の吉野ヶ里歴史公園のバックヤードツアーに行ってきました
吉野ヶ里遺跡は国の特別史跡に指定された歴史公園で、1989年以来実に34年ぶりに行ってきました。
前回はまだ遺跡の大部分は未調査状態で僅かに公開されていた復元された環濠集落内の高楼に登った記憶があります。
『ナゾホルよしのがり』のネット情報でバックヤードツアー参加募集があるのを見つけて早速応募しました。
かなりの倍率を運良くクリアし参加することができました。
2023年6月24日・25日に特別公開され話題となった石棺墓周辺の調査現場を佐賀県の文化財保護・活用室の担当者の詳細な解説とともに現在の発掘状況を自由に観察できました。
発掘現場を真近に見るのは(財)千葉県文化財センターに在籍していた時以来11年ぶりですが、やっぱり発掘現場の雰囲気っていいですね。
現場の調査員の方の話では、石棺墓は弥生時代後期のもので、中期の甕棺墓群を一部壊すような状態で構築されたようです。
この場所は小高い丘になっており旧参道(緑の保護シートが敷かれている所)の先に日吉神社があり長い間保全されていたようです。
この後、調査事務所で石棺の蓋石にじかに触れ観察することができました。
報道でも話題になりましたが3枚の蓋石の内2枚の蓋石の外面には鋭利な工具による「×」や「+」や「キ」のような多数の謎の線刻があり興味深く観察させていただきました。また、一番大きな蓋石はこれらの線刻が内面に刻まれており、石棺小口の内面には赤色顔料の痕跡が認められるなど、この石棺の被葬者の身分や当時の祭祀を考えるうえで大変興味深いものでした。
また、これまでの調査で出土した極めて貴重な遺物も真近で観察させていただきました。
なかなか専門家でも得難い機会に接し大変貴重な体験をさせていただきました。
佐賀県文化課文化財保護・活用室と現地スタッフの皆様ありがとうございました。
佐賀県と言えば以前県立美術館で桜馬場遺跡、宇木汲田遺跡、本村籠遺跡、増田遺跡、二塚山遺跡、椛島山遺跡、横田遺跡、松葉遺跡などの鏡の資料調査をさせていただいたことがありました。
また新たな前漢鏡の発見でこの地域がかなり早い時代から大陸や半島と繋がりが深かったことが鮮明になりましたね。
今後の調査成果がますます楽しみになってきました。
これだけの規模の遺跡を調査研究していくためには橿考研(橿原考古学研究所)や奈文研(奈良文化財研究所)の様な博物館併用研究機関を現地に作っても良いのではと思った次第です。
また行きたい吉野ヶ里、また行かねば吉野ヶ里👍
バックヤードツアーの集合時刻より少し早めに現地に着いたので、レストランで佐賀牛コロッケ定食をいただきました。
赤米(古代米)のご飯に厚い揚たてのコロッケ、とっても美味しくいただきました。