土井が浜遺跡人類学ミュージアム

山口県下関市の土井ヶ浜人類学ミュージアムに行ってきました。
土井ヶ浜遺跡は弥生時代の埋葬遺跡として有名な遺跡です。
埋葬施設は石囲いや砂地に直接埋葬したものなど極めて簡素で甕棺などは見られないようです。
過去の発掘調査の結果、300体以上の弥生人の人骨や土器・貝輪・石製装身具などが大量に発見されました。
特に人骨の密集度の高い場所はドームにより保護されており、発掘された人骨(レプリカ)の状況を観察できるようになっています。
特徴的なのは埋葬されていた人骨が全員頭を東に足を西にして横たえられ、頭はやや持ち上げられた状態で西の海(響灘)の方角を向いていることです。
その後の人骨の分析研究の結果、中国の山東省から発掘された人骨と非常に良く似た形状の頭骨が多数確認されており、また北部九州の頭骨の特徴を持つものもあり、当時の弥生時代のクニの成立過程がどのようなものであったのかを具現化した大変興味深い遺跡です。

土井ヶ浜人類学ミュージアム