不覚にも黄泉の国の扉をほんの少し開けてしまいました。

令和元年某月某日朝、左半身金縛り、即救急搬送、人生二度目の救急車体験となりました。
(一度目は6歳くらいの時に柿の木から枝もろとも落下して意識不明で救急搬送、もちろん覚えていません。)

救急車到着頃には多少ふらつくも自力歩行可能な状態で救急車に。搬送された病院の救命救急センターで不整脈ありと診断され心原性脳塞栓症の可能性ありということで即入院となりました。結局一過性脳虚血性発作(TIA : Transient Ischemic Attack)と診断され24時間から48時間が明暗を分けると宣言されてしまいました。それから約1週間脳神経内科で経過観察入院の結果無事に復活しました。発症から1時間後には病棟で治療を開始できたという幸運(悪運)も大きな要因のようでした。現在何の後遺症もなく日常生活を過ごせています。

一過性脳虚血性発作は血栓が脳血管で詰まることで発症しますが、今回は瞬速で血流が再開し事なきを得たわけです。「元気なうちにバッタリ逝きたい」などと日頃公言していましたが、医療スタッフの日夜問わずの献身的な看護対応をつぶさに体験し、やさしさの中にも「絶対あちらには行かせないぞ」という覚悟のようなものをひしひしと感じ「元気なうちはバッタリ逝かない努力をしよう」と思っています。

今回お世話になった成田赤十字病院の救命救急センター、F棟5階の脳神経内科大西康介先生、看護師チームの皆さん、薬剤主任の石原先生ほんとにありがとうございました。

そんなわけで黄泉の国の扉は当分の間クローズさせていただきました。

追加情報1
令和3年12月、前回の入院から2年経ち順調で快適な日々を過ごしてきましたが定期検査でNT-proBNP(BNP値)がここへきてやや上昇傾向にあり、Apple watchで定期的に記録を取っていたのですが心房細動も10月以降頻度を増しており、コロナの波がやや落ち着いている今がタイミング的に良いという主治医の助言もあり前回お世話になった成田日赤病院でアブレーションカテーテル手術を実施することとなりました。

追加情報2
クリスマスもまじかに控えた本日、無事手術を終え生還しました。 ストレッチャーに載せられ二重扉の処置室に入るとそこはまさにDoctorXの世界。 まるでトレーディングルームのように大小様々なモニターが手術台の片側に集められ、カテーテルの専門医、血管内治療の専門医、映像コントロールの専門医、麻酔の専門医とあらゆる医療専門分野からなる施術チームに身を委ねることに。
私自身は固定ベルトで手足を手術台に固定され痛み止めと麻酔を注射され、徐々に意識が遠のく中で担当医の血管内治療内科の橋口直貴部長の『私失敗しないので』と言ったかどうか記憶にありませんが『始めます』の一声で始まりました。 私自身はその後麻酔の効果もあって次に目覚めたのは病室のベッドの上で既に手術は終わってました。 予定していた心房細動のほか心房粗動の可能性のある箇所も処置していただき、ついでに冠動脈の状況確認も併せて実施していただきこれで血栓を発生するリスクは大幅に軽減されることに。 

当初予定をはるかに越える4時間にもわたるオペ。 医療スタッフの皆さん本当にありがとうございました。 それにしてもApple watchの有用性に改めて目を見張るものがありました。 退院直後に測定したら見事に洞調律(心房と心室が正常に連動して規則正しいリズムで心臓が動いていること)の復活です。 これであと10年はまた飛び回れそうです。 いや〜現代医術ってホント凄いですね。